hiroinnのブログ

あの世とこの世の結魂生活。一緒に暮らすまでの道のり

肺炎

この記事 にも書いたけど

hiroinn.hatenablog.com

 

最後は、肺炎になった。

 

肺炎になったら

 

脳腫瘍に対する治療は出来ない。

 

 

まずは、肺炎を治して

 

体力を戻さないと

 

抗がん剤やアバスチン

 

もちろん放射線

 

出来る状態では無いということ。

 

 

抗生剤ゾシンを点滴、

 

5日経っても改善が見られなかったので

 

違う抗生剤クラビットニューキノロン系)に切り替えた。

 

これが効いたようで、炎症の数値が下がったが

 

肝臓の数値が引き続き高く

強力ネオミノファーゲンシーを朝晩点滴。

 

 

担当医も言っていたが

 

抗生剤も使いすぎると耐性菌が出来てしまい

 

状態が悪化する。

 

 

私は病室で調べられるだけ調べていたので、

 

耐性菌のことも心配だったが

 

1日でも早く肺炎を治さないと

 

脳腫瘍の状態が進んでしまう

 

どんどん状態は悪化していく毎日。

 

 

この時

 

一番気を使ったのは

 

夫の呼吸の状態をみて

 

よいタイミングで吸引をしてもらう事だった。

 

 

もうすでに、自分で咳き込んで

 

痰を出す事もなかなか出来ない状態だったので、

 

看護師さんが定期的に来て

 

吸引の時に

 

「もっと咳してよー! ゴホゴホしてよー!!」

 

って、何度言われても、

 

よいタイミングで出来ない。

 

だからなかなか痰が取れない。

 

 

肺に白い影(痰)がかなりたまっている。

 

吸引の時の、痰の出し方

 

咳のだしかた、

 

首や顔の角度

 

身体の向きなど

 

 

調べまくったし

 

夫の様子を観察しまくった。

 

 

看護師さんによって、

 

上手い下手があるし、

 

夫(患者)の様子をしっかり考察している人と

単純にマニュアル通りにしかしない人がいる。

マニュアル通りというか、

 

雑、荒い、人間と思っていないようなチューブの突っ込み方。

 

痛い、かなり痛い。

 

 

 

忙しくて余裕がない看護師さんは、

 

咳が出そうになる時まで待ってもくれず、

 

口の中少しは奥までちょこっと吸引して

 

30秒ほどで出て行く人もいる。

 吸引時間は10秒ほどだ。

 

 

頻回に吸引をお願いするので

 

やり過ぎもよくない事は十分分かっているが

 

夫の様子をみて、今はあまりしない方がよい、との

 

判断なら私も納得いくが、

 

看護師さんよりも、付きっきりで見ている私の方が

 

夫の吸引のタイミングはよく分かっているつもりだったし、

 

吸引の時の咳のだしかたなど、

 

知らない看護師さんもいて、

 

ビックリした。

 

一部の看護師さんは知っていて

 

色んなやり方を試して、考えてくれたり。

 

若い方でも、考察力や気配りが出来る看護士さんは

 

安心できたが、

 

数少ない。

 

 

この吸引だけでも、私は夫の命がかかっていると

 

真剣に取り組んだ。

 

 

出来る事が少なくなってしまったからこそ

 

出来る事に集中した。

 

 

でも、看護師さんの対応には

 

心の底からショック、腹立たしさ。

 

もちろん信頼できる看護師さんもいたが、

 

ほんの数人だけ。

 

 

夫は、自分で身体を動かせない

 

しゃべれない

 

目も開けない

 

意識がある時の方がどんどん少なくなっていく状況

 

 

でも、私達と同じ生きている人間だ!

 

私の世界で一番大切な愛する夫だ!

 

一生懸命に生きるために戦っているんだ!

 

 

それなのに、

 

看護師さんは、人間を扱っているとは思えない扱い方をする人が多い。

 

 

身体を拭いてもらったり

 

服を着替えさせてくれたり

 

2時間おきには、体勢を変えてくれたり

 

大きな身体の男なので、

 

看護師さんも二人がかりで

 

いつも大変だと思うし

 

みんな一生懸命にしてくれているのは

 

感謝しているのだけれど、

 

夫の頭をヘッドぶつけたり、

 

足を柵に落としたり

 

パジャマをビリビリにやぶったり、

 

それは全部うっかりミスだということは

 

見ていてわかるけど、

 

「ごめんなさい」

 

の言葉がないのは何で?

 

 

すでに痛みと戦っている最中なのに、

 

雑な扱いをしないでよ!!

 

夫を大切にしてよー!!!

 

 

言いたかったけど、

 

沢山沢山やってもらわないといけないから、

 

怒れなかった。

 

ずっと我慢してきた。

 

 

看護師さんに雑にされないように

 

毎回私も一緒に身体をもってサポートした。

 

 

だから、少しでも離れられなかったし、

 

夜もいつ看護師さんがやってきて

 

体位変更や、吸引をはじめるか分からないので

 

眠れなかった。

 

 

私は入院中ずっと泊まっていたし、

 

個室でお風呂付きだったので

 

そこでシャワーもあびれたので

 

ずっと一緒だった。

 

でも、シャワー浴びる10分も離れるのが

 

心配で、夫のお父さんがいる時間に

 

3日に1回くらい。

 

 

家に帰る事もなく、ずっと側にいた。

一ヶ月間二人で病院で暮らした。

 

 

私がそばに居ないと、夫が不安になるだろう

 

と思ったし、

 

私がいないところで、

 

何されるかわからん、とも思った。

 

 

正直、少しでも一回家に帰って

休みたかった。

 

介助で身体は全身痛い

 

神経はずっと張り詰めて緊張状態

 

夜も寝ている場合ではない

 

そして、夫の側で泣いてはいけないとずっとこらえてきた。

 

 

夫の両親が揃った時に

 

一回だけ家に帰った。

 

行き帰りの時間含めて、

 

2時間夫の側を離れた。

 

 

仕事の事で

私じゃないとどうしてもダメな事があったので。

 

 

車にのったとたんに、

 

叫んで泣いた。

 

 

急いでいたから、すぐ運転したが、

 

行きも帰りも、泣き叫びながら運転した。

 

後で思うとよく事故起こさずいったなあ、と思う。

 

 

 

 

ずっと一緒だった。

 

私がいないと、夫は不安になるだろう。

 

夫の事を私が守ってあげないといけない。

 

 

ガンが分かった3年半前から、

 

ずっとそんな気持ちだけど、

 

私も夫がいないとダメなんだ。

 

私の方こそ、ダメなんだ。

 

 

あっちの世界で、夫は大丈夫だろうかと

 

心配でたまらない。

 

私が側にいてあげられなくて、

 

新しい世界で

 

不安と悔しさと、いっぱいだろう。

 

 

こんな風に書くと

 

なんだか弱い夫のようだけれど

 

私の夫は、

 

優しくて、強い人。

 

何が大切かをいつも自然体で分かっていて

 

芯が揺るぎない。

 

 

守られていたのは

 

いつも私の方なんだよね。

 

 

今も、今まで以上に

 

守られている事

 

ちゃんと分かっているからね。

 

ありがとう。

 

 

悔しいよ

悔しい悔しい

やっぱり未来なんて私には考えられない。

あなたがいないこの世で