仏壇のパイナップル
昼過ぎに起きて、
仏さまの水と、花に水を変えた。
何をしよう…
何もする事がない。
いや、やらないといけない事はあるけれど
何もやる気にならない、
やる必要もない。
お腹も空いてない…
でも、食べてみようか、
やることないし。
母が切って、冷蔵庫にいれてくれていた
パイナップル。
お供えして
般若心経を読む。
線香の香りよりも、
強く華やかに
パイナップルの甘い香りがしてきた。
般若心経を一回で終わり
最後の音叉を鳴らすとき
虚しくなった。
私は
パイナップルを
早く食べたくて
般若心経を一回で終わり
音叉を鳴らす時も、
もうパイナップルの事を考えていることに
気がつく。
なんて、欲まみれなんだろう。
食べたい
自分が生きること、を
無意識の自分が選択している、ことに
涙が出る。
そしてまたこんな事を考える自分は、
心底「夫のため」を考えられていない
事に気がつく。
自分ばっかりなんだ、結局。
私が許せない、あの人と
たいして変わらないのかもしれない。